“顧客のニーズを特定すること”が営業活動の最大の目的です。ニーズに顧客が気付いていればいいのですが、たいていの顧客は自分のニーズに気が付いていません。現在は恵まれた時代であり、ものもサービスもあふれています。基本的に顧客は全く困っていません。需要は基本的にありません。これまで2回にわたって、“現在の状況を確認する質問”と“気付かせるための質問”を説明してきましたが、その次には“心に響かせる質問をしないと顧客の心にまで届きません。ヒアリングの中でもほとんどの営業担当者ができていないフェーズなのでしっかり学んでください。
目次
結論。顧客の心に届けるためには“心に響かせる質問”
これまで2回にわたって、“現在の状況を確認する質問”と“気付かせるための質問”を説明してきました。これまでのあなたの質問で、顧客はしっかりニーズに出会いました。しかし、せっかくあなたが顧客の現状をしっかりと把握して、顧客が、現状の体制では十分ではないという事に気が付いてもらえたとしても、顧客はその重要性や緊急性に気が付いていません。なぜなら、これまでの質問は頭で考えさせる質問だからです。重要性や緊急性に気が付いていない状態では、行動に移すことはなく、顧客の取り組みは変わりません。それでは製品やサービスが購入されることはないでしょう。そこで心に響かせる質問をする必要があります。現状の取組みを重要性・緊急性をもって理想的な状況に変えなければならない、と“感じさせる”ことが“心に響かせる”質問です。
心に響かせる質問の3つのコツ
これまでのあなたの質問によって、あなたは顧客の現状をしっかりと把握しました。また、顧客はニーズに出会うことができています。ただし顧客の頭にはインプットできたのですが、心に響いていません。どうすれば心に響かせることができるのか?3つのコツを確認して実践しましょう。
心に響かせる質問のコツ:①現状・ニーズを再確認する
次のステップは再確認です。現状、ニーズをもう一度再確認して、“はい”と言わせる必要があります。心理効果として“Yesの法則”があります。人は一度自分で発した言葉や行動に対して一貫性を貫こうとします。顧客に現状とニーズを確認し、その後の面談を進めることで有利になるからです。
心に響かせる質問:②現状のままでいることのリスクを聞く
現状の確認が終わったら、次に現状のままでいることのリスクを聞きます。すでにこれまでの質問でニーズは出ており、自分の理想的な状況がなんであるのか?はわかっています。それと比べると現状には満足できない状態です。その状態の顧客に対して、現状でい続けることのリスクを聞くことが大切です。その質問によって、このままではいけないと心に火をつけましょう。
今の状況に留まることで得られない可能性があるのは、どのようなものですか?
心に響かせる質問:③理想の状況で得られるものを聞く
現状に留まることのリスクを感じてもらったら、次にする質問は非常に重要です。ニーズをかなえた理想的な状況を手に入れたときには、どのようなものが得られるのか?を聞きます。そうすることで顧客は自分のより明るい未来を創造します。頭で良いことを理解していましたが、ニーズを満たしたことによる環境の変化が、自分をどのように変えるのか?を心で感じることになります。先ほど顧客の心にともした火にそっと燃料を追加しましょう。
理想の状況を手に入れたら、あなたの生活はどう変わりますか?
心に響かせる質問:④現状から理想へ進む重要度・緊急度を聞く
現状に留まることのリスクと、理想の状況に進むことで手に入れられるものを想像して、顧客の心は燃えています。最後にきっかけを与えてあげましょう。最後の質問はストレートに、現状を打破して、理想を手に入れることの重要度・緊急度を聞きましょう。
現状から理想の状況に近付くことの重要度はどれくらいですか?緊急度はどれくらいですか?
質問をする際の注意点
顧客から質問の答えを頂いても、すぐに準備した質問に行かないようにしましょう。なぜならどんどん質問を投げかげることで尋問のようになってしまいます。顧客に興味を示していることを常に示すように、顧客の答えに対して追加で質問をしましょう。その際には5W1Hで追加質問をすることが重要です。顧客が答えていないことを補足するように聞いていくことで顧客は“この人は自分に興味を示してくれているんだな”と思うようになります。
まとめ
いかがでしたか。ヒアリングは非常に重要な営業のフェーズです。これを実践すればTop営業に近づく事間違いなしです。ここまでくればあなたの質問によって顧客はあなたのサービスが買いたくて仕方がない状態になっています。ぜひ現場で、実践してみてくださいね!営業ができれば社会で必要とされ幸せになれます。営業力を磨いて幸せな人生を送りましょう